アイディアだけでは特許にならないことを第一回で申し上げました。復習すると、特許は自然現象を利用した
高度な技術と言われるように、例えば、人間の間での論理的取り決めなどは特許にはならない。ということ
でした。

今回は、もっと実践的なお話をしましょう。特許を発明するにあたってのポイントというべき重要なものです。
アイディア(発想といった意味でとらえてください)だけでは特許にならないといいましたが、それでもなおかつ
特許 を発明するにはアイディアが必要です。アイディアを掘り下げるため、問題解決との関係から次の2つ
の場合で考えていきます。





特許の基本は、問題解決型のアイディアでしょう。問題があれば、それを技術的に解決するその方法が、今までに無いものであれば特許に結びつくわけです。問題が明確であれば、解決手段はおのずと、芋づ る式に出てくることがあります。これに、新規性をもって解決する方法を見出していけば特許にたどり着きます。

この場合は、技術革新を考える・見出すというよりは、むしろ、問題を見つけることが大切です(極端に言えば、問題発見=特許というパターンです)。もっと言えば、問題を細分化するなどの手法によりどんどん分析・昇華する作業であり、発明の本質であるところの物事を考え出すという行為から少し離れているといえますが、特許を作るための立派なアプローチです。

すなわち、問題があいまいな段階では、特許に成りにくいわけです。特許には、その効果を説明する必要がありますが、問題が明確であれば、それを解決する手段としての技術及びその効果が明確に説明できることになります。

特許を作成する現場でのもっと現実的なお話をしましょう。むろん、あなたが現時点で、直接的に特許の対象となるような問題を抱えていれば良いのですが。。実は、仕事の現場では、事情によっては次のよ うなこともあるのです(実は多いのでは?)。。。

ある上司の発言:
「内の会社は技術力が問題だ。特許の数が少ない。開発技術者がいるんだから、
もっと特許を出させるようにしろ。特許作成を今年度の会社方針にしよう。。。」

それを聞き入れた人事評価の担当:
「では、開発技術者にノルマを課すことにして、特許の作成件数をふやすように
しましょう。」などと。。


よくある話のようです。特許庁は、無駄な特許が多くて困っております。(苦笑) でも、技術担当者にと
っては仕方がないですよね。人事評価に結びつくんだから。給料にも影響するなんて。今回の講座の
タイトルは必要は発明の母ですが、この場合の必要性は上司からのノルマ、給料上昇が必要というこ
とになりますか?(笑)

このような方に、重要なヒントを差し上げます。(私は、こんな方の味方をしようというわけではないです
が)それは、既存の特許を調べることです。特許にはそれぞれ従来の技術の問題点とその解決のポイ
ントが記述されております。すなわち、既存の特許を考えた方々が問題点をあきらかにしてくれている
のです。その解決策として、特許を提示しております。ですから、同じ問題点を出発にして、別の解決
策を提示できれば良いのです。(これをいわゆる改良特許と呼んでいるようです)。問題点にはそれに
派生して新たな問題を考えることもできるのです。こうなれば、その問題点はあなただけ独自の問題を
見つけたことになるわけです。


 
よく言われることですが、「特許を出すとノウハウがばれるのであえて特許にしないほうがいい。」と。おそ
らく、私は、上で述べた問題発見という意味では、確かに特許を書くことによって他人に問題を示してしま
うということですので(これをノウハウというかは別ですが)、特許化しないほうが良いとも言えるかもしれ
ません。しかし、いづれにせよ、過去の特許から新たな特許を作成でき可能性があるというのは否めない
事実です。ですから、特許を多く書きたければ、他人の特許を多く読み、その問題発見と解決手法を把握
するということになります。

さて、こういった場合のように、人のやっていることを見て、これになぞらえて出す特許に付いてどう考える
べきでしょうか。

人まねでは、、特許とはいえないのでは? 新規性はあるといえれるのか?

いろいろ批判や意見がありそうです。皆さんの見解を伺いたいと思います。

・・・さて、次回は今回述べたパターンではなく、自らの発想で考え出す特許について考えてみたいと思います。
 

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